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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY

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ごあいさつ
 昭和26年11月12日,明治大学構堂に於きまして,東京六大学合唱連盟結成式が行なわれてから,30年の歳月がi充れました。
 幾多の困難があったにもかかわらず,毎年新緑の萌ゆる頃,東京六大学合唱連盟定期演奏会も行なわれてまいりました。
 私達が今日第30回定期演奏会を迎えることができますのも,御来場いただきました皆様の暖かい御支援御批判の数々,一また長い間連盟及び各合唱団を御指導下さいました大勢の先生方,そして幾多の困難を乗り越え,今日まで演奏会を継続して下さいました,数え切れないほどの各合唱団OBの皆様の御努力のおかげでございます。
 現在では,六連創設当時の事を記憶しておられる方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。そこで六連創設当時の事,そしてそれからの六連の歩みを記録として残したいと思いたち編集致しましたのが,この発足30周年記念誌でございます。
 不慣れな私共の手がけたものはございますが,精一杯の感謝の念ををこめて編集いたしました。
 この記念誌が,東京六大学合唱連盟の今後の発展の礎となれば幸に存じます。

                       東京六大学合唱連盟

目次

やるからには本格的に  音楽評論家 村田 武雄
御祝いの言葉       音 楽 家 宮本 良平
総長挨拶
ごあいさつ         (社)全日本合唱連盟東京支部長
                東京都合唱連盟理事長 外山 浩爾
六連の思い出
六連マネOBによる座談会

「やるからには本格的に」

                  村 田 武 雄

 一つの事業を30年もつづけるのは,なかなか容易なことではない。まして数年ごとに学生の転換する大学でのクラブ活動を継続させるためには,その当事者には並み並みならぬ労苦の累加することは想像以上のものがあるに違いない。
 まして音楽のように時間をかけて練習を重ねてゆかねばならない内容の場合には,その指導者から仲間の和合まで,過ぎてしまえばなんでもなく思えることも,そのときどきにはなかなかの重荷になる。
 それを30年,六大学がお互いに技を競いながらも融合を保って釆たことは一一つの大事業であったというべきであろう。
 わたしも慶應で関係した経験があるので,心から祝福をおくりたいと思う。
 しかし現在のわが国の音楽普及は質よりは数や種類の上のことだけであって,本格的な音楽の根拠の上に立って厳しく鍛えあげたものではない。
 義務教育での「音楽は楽しい」指導のなかにもそうした傾向の見られる場合がある。まして大学に入って,音楽が好きだからやるという自分の意志で音楽グループに属しているのに,その技術も音楽も間に合わせ的に片付けているのがしばしば見られる。
 合唱をしまた演奏をするのに,音楽には専門と非専門の区別はないのだこ音楽家と素人との区別はあっても,発声をまた音符をそしてソルフェージュを学ぶのに,専門家用と素人用との区別はないのである。
 少なくとも大学生が合唱を行う場合には,各自がその自覚をもって熱心に練習をしないかぎり,ママさんコーラスにも及ばぬ結果となるであろう。
 クラブ組織であるからには1人でも多くの会員をえて,合そのものを盛んにしようと思うのは当然のことであろう。ただフシを知って歌い合わせるだけでも楽しくもあろう。
 しかしわたしは大学の合唱は,たとえ人数は少なくとも,真に芸術としての音楽の訓練の苦難を乗り越えて進めるだけの学生だけが集って,音楽の本格的な勉強をしながら,合唱活動を推進させるべきだと思う。
 音楽の本質を甘く見る-それは今の日本の音楽のi充布にはびこっているし,また大きな危険をはらんでいるとも考えられる。
 やるからには本格的に苦労してやる 】 さらに年を重ねるに当って,わたしはそれだけを切望したい。

「御祝いの言葉」

宮 本 良 平

 六大学合唱連盟も発足以来30年の年月をへて,ますます盛大に前進を続けて行かれるのを見る時,御祝いの言葉と共に心からなる柏手を贈りたいと思います。おめでとう連盟の皆さん。OBの皆さんおめでとう。これは貴方がたが後進に残す立派な心の財産ではないでしょうか。
 30年,本当にそんなにたってしまったのかと今さらながら時のi寵れの早さに驚かされます。20年,30年と一口に言いますが,なかなかどうして大変な年月なのです。人の一生に取って見ても,吐まれたばかりの赤ん坊が幼稚園から6・3・3の教育を受け,大学を卒業して一人前の社会人としてスタート出来る様になる迄,いやそれでもまだ30年には及ばないでしょう。
 この長い歴史を先輩から後輩へ次々バトンを渡し,渡され続けてこの記念すべき30周年の日を迎えられる各合唱団,グリーの皆様方の協力精神こそ合唱でもっとも大切な,心のハーモニーに他ならないと思います。
 この貴い精神,心を失わないかぎり,このすばらしい六大学合唱連盟は,40年・50年,いや学校のあるかぎり,限りない歴史を続けて行かれるでしょう。
 先輩から受けつがれた情熱と伝統をどうぞ後から来る人達に伝えていって下さい。それが現役の方達の大切な仕事です。
 私は連盟のかぎりない発展を信じて居ります。そしてますます,各校それぞれの持ち味を生かして前進,又向上されます様心からお祈りするものです。
 終りに今一度,30年を祝って,皆さん,おめでとう御座います。






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総長挨拶

東京大学総長 平 野 龍 一

 昭和27年,日比谷公会堂に首都の六人学の一男声合唱団の諸君が集い,第1回の東京六大学合唱連盟定期演奏会を開催して以来,各合唱団の努力の積み重ねによって,今年で30回を数えるに至り,改めて伝統の重みを感じます。時代が変わり,メンバーが毎年代わってゆくなかで,合唱団体を運営してゆく事は,容易な事ではありません。まして六大学という大所帯の演奏会を絶える事なく維持してきた努力は想像を遥かに絶するものと思われます。ここに六大学合唱団に対し心から敬意を表します。諸君を支えてきたもの,それは音楽の芸術性への限りない追求という一言に尽きると思います。音楽に託して自己を表現し,心身の向上を目指してゆく活動は,狭い学問領域の探求を越えた文化創造,人格陶冶が要請されるものであり,大学教育の中においても高く評価されるものであります。
 本学のコール・アカデミーもかような理念に基いて,大正9年に音楽部として発足して以来研鑽を重ね,昨年で創立60周年を迎えて,新たなる決意のもとに,部員一同,一層の練習に励んでおります。60年という長い歴史のなかで,本連盟への参加によって,同じ合唱の仲間との交流の場を持った事は極めて意義深い事であります。
 各合唱団が異なる個性を発揮する事によって,相互に学ぶべき点は多く,それがそれぞれの合唱団の水準の向上に大きく寄与してきた事と思います。
 この機会に飾付旨導の先生方に深く感謝の意を表し,本連盟の益々の発展を期待すると共に,聴衆の皆様方には一層の御支援と忌憚無き御批判を賜りますようお願い申し上げます。



明治大学総長 小 島  憲

 束京六大学合唱連盟定期演奏会が回を重ねて30周年を迎えられましたことを心から御祝い申し上げます。
 束京六大学の交流は,スポーツ・文化等広く,深くかつ久しいものがあります。その主一安な一翼を担うこの定期演奏会も八に例えれば,30歳の年齢ですが,これはまさに知力,気力,体力共に最も盛んな時期であり,ここに交流を深めて,音楽の真髄を発揮されるらば,先輩諸兄姉の築かれた立派な実績をさらに発展させ得るものと思います。
 もともと連盟加盟各大学は,いずれも音楽を専攻する分野を持たない大学ばかりですが,音楽が好きだという共通の意志を持った人々によって,美しい旋律を自らが楽しむと共に,音楽を愛好する人々の心にうったえて,それぞれが個性ある伝統を築き上げてきました。
 特に,合唱は多勢の人々が心を1つにして,音楽を創出するという素晴らしい作業です。1人の天才,数人の才子だけでできるものではなく,素質や,技術が契っていても,力を合わせてお互いが練磨し,努力することによって,より優れたものを生み出すことができるのです。
 どうか部員諸君,日頃の研錯の成果を余すところなく披露してください。又,彼等を御声援くださる皆様,惜みない柏手をお願いします。

立教大学総長 尾 形 典 男

 東京六大学合唱連盟の30年史発刊を,ともに喜びたいと思います。スポーツの世界における東京六大学は神宮の森で,音楽の世界における東京六大学は上野の森で,それぞれ開花するわけですが,野球と男声合唱の周辺にあってそれを見守り,支える人間の数と連盟の歴史はということになると,神宮の森に軍配をあげなければなりますまい。
 しかし,上野の森に集う東京六大学の,アマチュア合唱界における文化的レベルは全体的に高く,大学間の音楽的実力が伯仲していて聞く耳を持つ者を熱中させ,聴衆に明日への希望と事前申の安らぎを与えることを想起すると,上野の森の輝きが増してきます。
 そして,第2次世界大戦終結後すぐに演奏会開催にふみきった諸先輩の英断に対して,心からなる柏手を贈りたいと思います。30年史の発刊を通じて,新たなる日本文化の発展と人間の育成に,その礎となって寄与してきた連盟の姿が浮き彫りになることを,そしてその社会的評価が高揚することを期待してやみません。

法政大学総長 中 村  暫

 春から初夏にかけての季節の移り変りはきわめて躍動的あり,劇的である。私は,大学という社会に,いままでの人生の大半を置いてきたが,この季節には,大学には卒業式があり入学式がありガイダンスがあり,一年中でおそらく一番にぎやかな季節ではないだろうか。大学が多勢の新人を迎えて表情を新たにする季節でもある。そして大方のサークルが,この季節に新しい仲間を加えて歴史の一頁を書き足してゆく。いまは,ちょうどその季節であろう。
 それはそれとして,サークル活動の楽しさは,何といっても,同志同好の友達との人間的ふれあいにあると思うが,その人間の輪が織りなすドラマはまさに人生そのものであり,30年という年月は,その意味で貴重な歴史なのである。
 法政大学は昨年創立100周年を迎えたが,私は100周年をただ単に記念するというだけでは意味がなく,未来へ向ってさらに高く羽ばたくための,いわば足掛りになる年としてi莱く心に銘記すべきだと強調した。東京六大学合唱連盟も,30年の歴史に,さらに力強い何ものかを加えるよう,今後の精進を期待したい。

早稲田大学総長 清 水  司

 東京六大学合唱連盟による定期演奏会が今年30周年を迎えますことを,関係各位とともに心からお慶び申し上げます。
 昭和26年に連盟が結成され,翌27年第1回定期演奏会が開催されて以来,
ほほ現在と同じ合唱団によって運営され,また,その活動が合唱界で常に高く評価されてきているのは,現役部員の不断の努力もさることながら,OB等関係者の暖かいご支援,ご助言があったればこそと存じます。
 各校それぞれの伝統に培われ,異った個性をもつ合唱団が,共通の“歌を愛する心”をもって一堂に会し,日頃の厳しい練習の成果を披露し合い,また,互いに以降の活躍を激励し合う定期演奏会は,各校にとって年間の演奏活動の原動力になるといっても過言ではなく,各大学が独自に行う演奏会にはみられない味があります。
 さて,1980年代に入ってから,社会情勢は国内外ともにますます複雑で険しい様相を呈しつつあります。私の好きな言葉の一つに,「現世を忘れぬ久遠の理想」という早稲田人学の校歌の一節があります。いまこそ,各人が各人の立場で現世をもう1回踏みしめて,久遠の理想をじっくりかみしめるときであると思います。
 この東京六大学合唱連盟による定期演奏会が,今年で30周年を迎えるにあたり,この期を大きな節目とし,より充実した将来を展望してもらいたいと念じてやみません。

慶應義塾塾長 石 川 忠 雄

 この度,東京六大学合唱連盟が,創立30周年記念定期演奏会を開催するに至りましたことは,私の深く喜びとするところであります。
 一口に30年と申しましても,それぞれ違った事情を持つ六つの大学の合唱団が 一緒になって演奏会を続けてくるには並々ならぬ苦労があったかと思いますが,幾多の困難を乗り越え,常に真筆な態度で意欲的に活動を続け,互いに切磋琢磨し合い,今日の隆盛を見るに至っております。これは,歴代の指導者諸氏,先輩各位の一方ならぬ御指導,御援助の賜と,改めて深く敬意を表する次第であります。
 現役の部員諸君も,この輝かしい伝統を受け継ぎ,更に発展させるために一層の研鑽を重ねていることと思いますが,今後ともたゆまぬ努力をもって限りなき前進を遂げられるよう希望します。
 最後に,関係者及び御臨席の皆様方に,今後とも東京六大学合唱連盟に対して,暖かい御理解と,御声援を賜りますようお願い申し上げます。


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「ごあいさつ」

             ㈱全日本合唱連盟東京支部長
             東京都合唱連盟理事長
                   外 山 浩 爾

 東京六大学合唱連盟の30周年を,心からお祝い申し上げます。
 現今では,このような複数の大学がいろいろのグループごとに集って,定期的に演奏会をもちながら,横の連絡をとりつつ活動を続けることは至極当然のようですが,皆さんの先輩諸兄が30年前に活動を始められた頃は,音楽以外の活動でも数少い貴重な存在でした。

もちろん,六大学の男声合唱は,それぞれの大学で築かれた伝統を守り,新しい演奏への憧憬に溢れ,幾多の試行錯誤を繰り返して,一年に一度集っての演奏会が,お互の啓発と共に音楽水準のより高きを目指したからこそ,いわゆる「東京六連」が男声合唱による合同演奏会の中心的存在として今日を迎えたと言って良いと思います。聞くところによりますと,近年は会場難のために,演奏会を開くことに大変な苦労がともなっています。しかし,合唱の世界にとっても,東京都合唱連盟にとっても,「東京六連」は大切な財産として,だいじに見守り,育てていきたいものです。どうぞこれからも,今迄以上の活発な活動を通して,50周年,100周年にむけて,ますますのご発展を希望いたします。おめでとうございました。