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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY


初演 1977年5月7日 第26回六連(東京文化会館)  指揮 伊藤冨美雄

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メッセージ

三善 晃

 ほとんど毎回の定期で「王孫不帰」を歌ってくれているアリオンコールから、今回は愛唱名歌の編曲を依頼され、団員諸君の挙げた曲の中から、この5曲を選ばせてもらった。
 私にとって、いずれも幼少時からのセンチメントにつながるこれらの曲が、今の若い人たちからも同様に愛されて来たのだろう。

  


 男声合唱の領域に、どのような遠近法(パースペクティブ)があろうかと、模索はしてみたものの、歌ってくれるアリオンの面々を想ったり古い画帳を開くような懐しさに浸ったりで、これら名歌とのたわむれをも許してもらう結果になったかもしれない。
 そのような心情を、「ルフラン」という名に託した次第。

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解説

三善 晃

  法政大学アリオンコールには「王孫不帰」の初演再演の恵みをいただいていて、その志向と実為を日頃から敬愛していました。1977年、同固からのお話で、歌い継がれている愛唱歌の男声コーラス編曲を捧げることになったのがこの「ルフラン」です。
 「王孫不帰」が、世界内存在としての人間の不条理な還元であったとすれば、「ルフラン」は体験の中の志向と言えるかもしれません。愛唱歌とは、たとえば、日本人の日本語のよ
うなものでしょう。それは一人一人の日本人が毎日使っている言葉の総体であるために、これが日本語だ、と示すことができない、その意味では享替在的な体系です。




 愛唱歌の編曲とは、その体系の中から、一人の日本人の言葉としての日本語を顕現させることだと私は思っています。
 そうであれば、「ルフラン」は、まず、私の言葉であり、言葉であればそれは、誰かに対しての、誰かのための私の心の表現です。この「ルフラン」を歌って下さる方々を通してその誰かと、出遇えることが、私の希いです。

(カワイ出版譜のための解説)


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「2種のルフラン」

  1983年ルフランがカワイ出版から「五つのルフラン」というタイトルで発売されました。出版の際に「椰子の実」と「鉾をおさめて」の曲順が入れ替えられ、リピート記号も無くされ同じ楽句を歌う場合でも戻って楽譜を見る手間がないようになりました。これはクレーの「黄金の魚」でやったのと同じです。変更はそれだけではなく「中国地方の子守歌」では曲の中盤以降かなり手が加えられて終わり方も違っています。

    
 「カチューシャの唄」の原曲にはもともと5番まで歌詞があり、1977年の初演版では1、2、5番の歌詞が使われていましたが、出版されたものでは1、2、4番の歌詞が採用されています。また音楽に変更はありませんが、歌詞の付け方に少し変更がみられます。出版以降アリオンは1984年に演奏しており、中国地方、カチューシャを出版された版で歌っていますが、曲順は従来のままでした。折衷版いうことでしょうか。何れにせよ我々は1977年版、1983年版の二つのルフランを持っているというわけでこれからの全曲演奏にはバージョンを明記すべきでしょう。

(K.K)

(続)「2種のルフラン」

  カチューシャについて訂正。カチューシャの歌詞についてウィキペディアにあたったのですが、後で調べ直したところどういうわけかウィキペディアだけが本来の3番の歌詞を4番として紹介しています。つまり3番と4番が逆に説明されているわけです。これは明らかにウィキペディアが間違っています。というわけで三善さんは出版の際に1、2、3番にしたということに訂正します。


 カチューシャの唄にはほかにメロディ、歌詞に原曲と異なる部分があり、特に有名な議論があるところでは「せめて淡雪とけぬまに」の「に」は「と」がもともとで、「に」は誤って広がったものとされています(現在でも「に」でもいいじゃないかということで「と」していないこともあるようです)。こういったところを楽譜屋さんはきちんとチェックして三善さんに相談して欲しかったですね。

(K.K)

出版 カワイ出版

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録音 

関屋 晋指揮 晋友会合唱団(フィリップスCD)

演奏 

法政大学アリオンコール
六連(第26回〈初演〉)
法関(第16回、第20回)
定期(第27回、第30回、第31回、第34回)

関西大学グリークラブ、東北学院大学グリークラブ、栗友会、甍会、晋友会 他多数