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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY


初演 1981年12月12日 第31回定演(郵便貯金ホール)  
指揮 田中信昭 ピアノ 田中瑤子

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<未分化の原点で>

三善 晃

 男声合唱曲の拙作を、法政アリオンが一夕の演奏会に構成して下さることを、心から感謝しています。これら以外に、「三つの時刻」という組曲がありますが、これはピアノ・パートが紛失したまま再現されずにいますので、これら4曲が、ひとまず、拙作のすべてということになります。
 こうしてみますと、男声合唱という媒体は、私には、まだまだ未解決の困難を多く含んでいて、作品は、その困難によって、困難のために書かれた、と言わぎるを得ません。謂わば、男声合唱という私にとっての広い未分化の領域は、まだまだ表現への分化を果たしていないのであり、イメージはその原点にとどまっていることになりましょう。

音楽とは、その原点からイメージが表現として分化され、再びその原点に戻って未分化の原風景を描く芸術です。まだ、そこに到っていない拙作を聴く今夜は、私には、一つの出発の契機でなければならないでしょう。
 今回、法政アリオンから委嘱をいただいた「ふるさと」は、二つの部分からなるバラードです。前半のアカペラは、詩の心理的速度によるパルランド、後半はピアノによる媒質のうつろいの上に詰の幻想が展開します。今回もまた、宗左近さんの書き下しを頂き、それによって、えぐられ、引き裂かれた私の内部に、私は自分との新たな出会いを許されました。
深く、心から、宗さんに感謝致します。


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出版/録音 なし

演奏

法政大学アリオンコール
六連(第31回)
定期(第31回〈初演〉)

関西大学グリークラブ、甍会