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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY


初演 2000年11月30日 第50回定演(川口リリアホール)
指揮 田中信昭  打楽器 長田和子

解説

西村  朗

  この曲のテキストとした詩「かつて信仰は地上にあった」は、萩原朔太郎の中期の詩集「蝶を夢む」の中の一篇。「蝶を夢む」に含まれる詩のいくつかは、宗教に関する幻想をうたっており、この「かつて信仰は地上にあった」もまた、キリスト教と関わっている。しかしその関わり方は特異で、揶揄のごとくに譜謔的で、不敬とも思える表現が見られる。また、その用語のニュアンスは、日本の隠れキリシタン的世界を思わせたりもする。いずれにせよ、朔太郎はここで、自分とキリスト教信仰者たちの群れ(多分に幻想的だが)との心理的な距離の大きさを明らかにしている。ようするにこの詩は、深い孤独者の魂の叫びであり、神と信徒たちが消えていった宇宙や空やそこに浮かぶ雲を眺め、救済者不在の地上に張りついて疎外感に耐えるひとりの詩人の孤愁の独白である。

 曲は、男声三部合唱による、やや異形の聖歌風に作曲されており、、それを必ずしも宗教的にふちどらない音響体として、チューブラー・ベルズとタムタムが加えられている。
 伝統ある法政大学アリオンコールの、記念すべき第50回定期演奏会のためにこの曲の委嘱を受け、本日、田中信昭先生の指揮によって初演していただくことを、大変嬉しくまた光栄に存じております。

(第50回定期演奏会パンフレット)

出版/録音 なし

演奏 

法政大学アリオンコール
六連(第50回)
定期(第50回<初演>、第53回、第58回)

アルママータ・クワイア、クール・ジョワイエ、クール・ゼフィール