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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY


初演 2005年11月26日 第55回定演(国立オリンピック記念青少年総合センター大ホール)
指揮 田中信昭

『あなたへ島』と「済州島四・三事件」について

 『あなたへ島』は、1948年の「済州島四・三事件」を題材とした作品である。済州島は現在、韓国屈指のリゾート地であるが、古くは流刑地でもあった済州島には悲劇の歴史がある。
 朝鮮半島の南北対立が深まる最中の1948年、南朝鮮(現在の大韓民国)は北朝鮮(朝鮮労働党)抜きの単独選挙を行うことを決断し、済州島内では選挙を前に激しい左右両派の対立がはじまった。同年4月3日、単独選挙に反対する朝鮮労働党に同調した島民が武装蜂起し、鎮圧のため南朝鮮国防警備隊(後の韓国軍)、警察、朝鮮半島本土の右翼青年団などが多くの島民を殺害する事件を引き起こした。この事件の犠牲者は島民の5人に1人にあたる6万人であったといわれ、済州島の村々の7割が焼き尽くされた。
この曲の歌詞は、李静和(り・ちょんふあ)の詩の日本語原文と未完の朝鮮語訳によるものである。마다[bpada](海)・밀레[bpille](石)・마람[bparam](風)・미마리[bpibpari](娘)と済州島のことばの音韻によって4つの部分に区切られており、これらはつづけて演奏される。なお、詩に登場する「陸地」は、島からみた朝鮮半島を指す。
2声部を基本とする無伴奏曲で、演奏者は両手に石を持って登場する。日本語による原詩とその朝鮮語訳を交互に、あるいは重ねて歌い、様々に石を打ち鳴らす。独特の滑らかな抑揚をともなった節回しは、済州島の神謡が参考になっている。

出版/録音 なし

演奏 

法政大学アリオンコール
六連(第60回)
定期(第55回〈初演〉、第61回)
法関(第41回)