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アリオン100.jpg法政大学アリオンコール HISTORY


 1979年、関西大学グリークラブの委嘱により作曲、同年12月、田中信昭さんの指揮で初演された。男声合唱曲集としては、「三つの時刻」(早稲田大学グリークラブ委嘱・初演1963年)、「王孫不帰」(法政大学アリオンコール委嘱・初演(1970年)につづいての第三作である。
 谷川俊太郎さんの詩集くポール・クレーの絵による「絵本」のために〉からの五篇により、1978年、混声合唱とギターのための「クレーの絵本第1集」(早稲田大学混声合唱団委嘱・初演)を書いたので、別の五篇による今回の男声アカペラは「第2集」とした。谷川さんのこの詩集は、詩の享受者としての私を惹きつけるばかりでなく、私の中に音の種子を蒔き、育ててくれた。

 クレーの風景と谷川さんの眼が、私に遠近法を許してくれる、と、第1集でも述べたが、それは今回も同じである。それは今回さらに深く感じられて音構造の陰影につながったように思う。地表の背律や不合理、生の哀しみや痛みが、その遠近法を彩色するのだが、その色彩に透視されるものは虚無や絶望でなく、地表への希いと生への愛であり、そこに、詩が私を捉え、私が音を書きたかった理由がある。

1980.6.5 三善 晃
(カワイ出版楽譜より)

作曲者メッセージ

三善 晃

 アリオン・コールが「クレーの絵本第2集」をお歌い下さるので、ぼくはメッセージを書こうとしながら思う。
 人事なメッセージは、アリオン・コールが、歌うことによって聴きに来て下さる聴衆の皆さんに送るそれだ。人事なメッセージは、それを聴いた聴衆の皆さんがアリオン・コールに返すそれだ、と。
 初めに、話そのものとしての谷川俊太郎さんのメッセージがある。その前に、クレーのメッセージがあった。その人きなメッセージのあとに書いたぼくの音楽も、メッセージだ。そして今夕のメッセージ。もう、それでよいではないか。





 演奏会がある。そこまでに、また、そのなかに、さらに、その後にも、交わされる無限の、ときには無音のメッセージがある。それらを、どうかアリオン・コールの諸君、大事にしてほしい。

(第39回定期演奏会パンフレットより)

出版 カワイ出版
クレー.gif

録音 なし

演奏

法政大学アリオンコール

  • 法関(第23回)
  • 定演(第31回)
  • 六連(第30回)

男声合唱団オールアリオン

  • 第2回OB法関(合同)

関西大学グリークラブ
    法関(第19回<東京初演>)
東北学院大学グリークラブ